台風21号についての議員説明会がありました

こんにちは。
北村ななみです。

先週11月2日(木)に、「台風21号による被害状況等について」の議員説明会がありました。
議員説明会というのは、当局(市役所側)から議会に対して現況などを説明する文字通りの説明会です。
報道は入りません。
議会側も、個々の議員が当局に対して質問することはできます。

気になっていた点をいくつか質問しました。

①投票時間の繰り上げは行わなかったのか。検討されなかったのか。
10月22日は、衆議院議員選挙と新宮市長選挙の投票日かつ、開票日でした。
また、10月21日時点で市には「災害対策本部」が設置されており、災害に対応する話し合いはできる状態でした。

22日は、大雨により投票箱の到着が遅れ、開票作業にも遅れが出ました。
同時に、市職員も開票作業に当たる人と避難所等に配置される人とにわけられ、避難所に配置された職員の中には、常時の配置場所ではない担当を任された方もいたそうです。
そのため、現場が混乱したと聞いています。
そういった混乱を回避するため、投票時間の繰り上げを行い、市職員ができる限り災害対応にあたれる体制を作ったほうが良かったのでは、という意図からの質問です。

市としては、「当日などの急遽の投票時間繰上は、投票機会を奪ってしまうことにつながり、そのための周知も不十分になってしまう」との考えがあったため、時間の繰上を行わなかったようです。
確かに、投票日当日に、台風が来ているとはいえ夜に投票へ行こうとされていた方からすれば、事前の告知もなしに投票時間が短くなったら投票機会が奪われてしまうことになります。
(投票時間の繰上げの根拠は、公職選挙法第40条です。場所のいかんを問わず、4時間以内の繰り上げであれば認められていました。)

ただ、個人的には、開票作業と災害対応とが重なることを想定すれば、時間の繰上げも例えば前日からでも行えたのではないかなと思いますし、こういった初速の部分から災害対応で後手に回ってしまった部分はあったのではないかとも考えます。
そういう点は、しっかりと次に活かしてほしいということをお伝えし、市側も事例を調べ、研究していきたいとの回答でした。

②ボランティアセンターの設置は、23日(月)に行えなかったのか。
22日の雨がおさまった、翌日の23日、私も市内を見て回りました。
浸水されたお宅やお店では、畳や家財道具等を運び出している方がほとんどでした。

そういった時に一番必要なのは人手です。
災害時、市は新宮市社会福祉協議会に要請することによって、災害時にボランティアセンター(人手が必要な方と、ボランティアとをマッチングする)を開設することができます。

今回、ボランティアセンターが開設されたのは24日(火)の13時でした。
もう一日早く、23日(月)の時点でボランティアセンターができていたら、人手が必要なところにも一層手が回ったのではないかと、市内を見て回って感じました。
このボランティアセンター開設が、もう少し早くならなかったのか?というのが質問の意図です。

市側からは、今回でも、職員の方の現況調査が完了するまで待たなくてもボランティアセンター設置の検討はできたという回答がありました。
また、それを踏まえて今後に活かしていきたいとの答えだったため、今回至らなかった部分を見直し、現場に応じた柔軟な対応をしていただけるよう、今後はどのように連絡体制などを改善したか、報告していただくようにお願いしました。

ほかに、
「市は被災者生活再建支援法の適用を受けるとのことだが、認定基準は?」との質問に、「原則的には大規模半壊が支援金の対象となる」という答えがあり、今回の災害において、「床上浸水」だけではその法律上の支援金対象となる方はわずかなのではないか、ということでした。
現在、二次調査として被害を受けた方のところへ職員の方が調査にいかれているそうです。

また、他の議員から
「災害について、市からの見舞金のようなものはあるのか」という問いに対して、「これまでは床上浸水については2万円の見舞金を実施しているが、今回被害を見る中で、大変厳しい状況も見ている。2万円ではなく増額を検討している」という答えがありました。

気になったのは、「生活再建の支援が必要な方などの実態調査はされているのか」という質問に、「災害調査において、そういったことの聞き取りはしてきたことはない。今回もしていない」という答えです。
災害復旧を経て、日常は戻ってきますし、そのための復旧事業であるはずです。
しかし、その日常を再建していくために支援が必要な方もいます。
そういった方は、今回の災害を機に「見守り」へとつなげていく必要があるのではないでしょうか。
そういった見守りに繋げるためにも、実態調査は必要だと思います。

「経済的な生活再建の相談は相談窓口等で何かあったか?」という質問に「28日に開設後、これまでそういった相談は特に無い」との回答がありましたが、自力でヘルプを呼べない方もいるかもしれません。
もう少し、市民の方のニーズを汲み取っていく調査を行ってもよいのではないかと感じました。

今回の災害を次に活かすには?という点で、まだ、市にはたくさん課題があると思います。
その課題を改善に結び付けられるように動いていきます。