こんばんは。
北村ななみです。
先日、6月議会が閉会となりましたが、本日は「文化複合施設建設 検討ワークショップ」に行ってきました。
このワークショップは、今月から11月まで、全5回にわたって「文化複合施設」について市民が検討できる場として開催されます。
今後の日程→http://www.city.shingu.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=36706
これになぜ私が参加したかといいますと、やはり一番大きな理由は、「本体工事48億円、周辺整備も含めると約55億円」ともいわれる施設をこれから建設していくことが本当に必要なことなんだろうか?という思いがあるからです。
図書館や市民ホールの建て替え、というものは老朽化や耐震性の問題から必要なことであるかと思いますが、それに対して、「では、いくら使うのか」、ということはまた別の問題になってくるのではないでしょうか。
このワークショップでは、1グループ5人~6人に分かれ、9つのテーブルにそれぞれのグループが座ります。
そして、その各テーブルで施設について話し合います。
が、13:30から始まり、15:00までは施設の説明と施設に関する挙手式のアンケート調査。
実際にワークショップとして話し合いができたのは15:00~15:20の20分間だけでした。
もちろん、それまでにもアンケートで様々な意見が出てきたことは事実ですが、ワークショップとして話し合いを行うには、20分では少なすぎるのでは、というのが私の率直な感想です。
そして、気になったのは、設計の方が、作成したプロポーザル案について、「これが完成形ではない」と言いつつ、「もう決まっていることもあれば変えられるところもある」とおっしゃっていたことです。
基本計画をベースにして作ったプロポーザル案(=業者選定を行った際の最優秀設計案)というのは、教育民生委員会でも「プロポーザル案はあくまでも業者選定のために作られたものである、これが完成というわけではない」と言われているものです。
で、あれば、「もう決まっていること」というのはどこの部分なのか気になりますし、「どの部分であれば変えられるのか」ということも同じく気になります。
更にいうと、「これが完成形ではない」、と言いつつ、市民の方の目にさらされたのは、今回プロポーザル案を通った、各施設:市民ホール、図書館、熊野学センター、それぞれが独立した建物となっている「分棟案」の設計図案です。
これだと、いくらこの図が完成形ではない、と言われても、この分棟案をベースにした議論にしかならないのでは?ということが大変気になりました。
もちろん、私自身が「施設建設」について批判的な目で見ている点は考慮に入れなければなりません。
ですが、判断に足る図面がそれしかない状況で、完成形ではない図面のみを見て、それをベースにした議論をいくらしたところで、得られる結果は、判断や意見の根拠がきちんとある、本当の意味で市民の声が反映されたものになりうるのだろうか、と思います。
こういったワークショップ自体は、市民の方に開かれた施設設計、建設、また運用にとって必要だと思いますし、市民の意見を反映させるという意味では重要です。
ただし、それは、「市民の意見がどのように反映されるか」、「変えられるべき部分はどこか」、「そもそも、どういった施設を市として作りたいのか」という部分が明確になっていて初めて実現できるものだと思います。
今回のワークショップでは、意見がどのように反映されるのか、ということと、変えられる部分はどこなのか、というところが明確にされていなかったかと思いました。
ですので、自分が気になった点は、また後日、あらためて確認してくるつもりです。
って、それでは市民としてワークショップに参加した意味ないんじゃ…、という感じですよね。
やっぱり、意見交換の時間が短すぎたように思います…。
大人数で話すときなんかは、ワールドカフェという手法が良かったように記憶してますので、そういったワークショップの手法も取り入れながら、活発な議論を踏まえて、良い方向に進んでいってほしいと思います。
が、やはり私自身の立ち位置としては、約55億円の投資をしてもよいのかということには疑問を持っていますし、その55億円の中身が、
・都市再構築戦略事業として事業採択されているので、国から予算の50%分は交付金が出る
・それ以外の50%については、過疎債、合併特例債を使うことで市の負担はさらに減る
と言われても、素直にうなずけるかというとそうでもありません。
その理由のひとつには、交付金、過疎債、合併特例債は将来的に返済していくものなのか、そうであればいくらぐらいずつ返済していくのか、といったことが明確にわからないことがあります。
また、運用にかかる費用(ランニングコスト)が果たして本当に1億円以内でできるのか、その財源はどこから持ってくるのか、ということも課題だと思っています。
これらはいわゆる”お金”の話ですが、さらには、今日のワークショップで出てきたような「ホールの収容人数増加」、「周囲の観光施設と連携」といった市民からの意見をどのように融合、反映させていくのか、というところも気になっています。
今後、市としては12月には基本設計検討委員会を通して基本設計の最終案を出したいという以降のようですが、12月まで残り約半年と考えると、議論として十分なものができるのかどうかが最も課題ではないかと思います。
自分が実際に話を聞いている限り、市と議会、市と市民、それぞれに考えていることがあるように感じられ、それをいかに統合していくか、折り合いをつけていくかがもっとも注力すべきことであって、「計画を前に進める」ことがもっとも重要なことではない、と考えています。
この文化複合施設、庁舎建設に次いで大きな事業になりますので、今後も教育民生委員会にも傍聴に行ったり、自分でも情報を集めたりして、動向を注視していく予定です。
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ちなみに、「復興祈念公園、日足避難道路建設」も大きな事業としてすでに一部着手されているものですので、こちらも注視していくつもりです!
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7月、8月は議会こそないですが、9月議会に向け、一般質問について考えると同時に、自分の関心分野である女性の働き方、子育て、子供を取り巻く環境づくりについて調べたり、地域包括ケアシステムについても調べていく期間にしようと思います。
それでは、本日はこの辺で!