こんばんは。
北村ななみです。
前回の更新から日にちが空いてしまいましたが、続きを書きます。
広角高森線路肩復旧費分担金の補正予算に対しての疑問は、以下の通りです。
①市側の過失とされた「石積みの老朽化」、これは本当に老朽化していたのか。のり面(石積みを支えていた盛り土部分)整形がなければ壊れなかったのではないか。市と地権者の費用負担割合が約4対6とされているが、この割合が適切なのか。
②今回の工事を行う理由は「緊急性があるから」というものだったが、工事に着手したのは崩落があった8月から4か月後の12月。本当に緊急性があったのかどうか。
③議会が予算を可決する前に両者の負担割合が確定され、工事を先に始めてしまっている。これは通常考えられない手続きであり、法令遵守がされているとは言えないのではないか。
④市が、費用を分担する原因として「老朽化」をあげていても、本来、復旧工事を行うにあたって「適切な手順」とされるものが踏襲されていないのではないか。
こういった疑問が生じたため、同会派の並河議員を提案者とし、私も賛同者として修正案を提出しました。
今回の修正案は、計上されている1106万2千円の金額を0にし、支出を止めることを要求するものです。
この修正案、委員会では賛同者がなくても、一人で提出できます。
そのため、総務建設委員会でも、自分ひとりで提出しましたが、賛成少数(というか、賛成は自分ひとりだけ)のため否決されていました。
それを、再度、本会議という議員全員がそろう場でも提出しました。
市側が言う、崩落の原因とされた石積みの老朽化、これは、第3者の調査によって示された原因ではありません。
あくまでも、今回「原因」とされたのは、市と地権者さんとの話し合いの結果によるものです。
また、崩落から4か月後に、緊急を要するという理由で、工事が予算もないまま着手されていること。
要綱を定めていないから作成義務はない、という理由ではあっても、工事を命じたのであれば、その法律(今回だと道路法)に則って、きちんと「工事施工命令書」を作ったほうが良かったのではないかということ。
とかく、今回の議論の中では「緊急性」が重視され、工事に至るプロセスや、予算の是非を問うための資料などがあいまいだったと思います。
今議会では、幼稚園の条例改正ができていなかったことも問題になりました。
なぜそれが問題になったかといえば、行政が行うべき「法令遵守」ができていなかったということにつきます。
しかし、それが問題となっていながらも、その横では同じような「法令遵守」されていないのではないか?という疑問が残る議案が提出されてしまっているのです。
提出した修正案は、私たちの会派を含めた4議員が賛同しましたが、賛成少数により否決となりました。
結果として、広角高森線路肩復旧費分担金を含んだ補正予算全体は、賛成多数により可決。
疑義が生じていた分担金ですが、予算として通ってしまいました。
ただし、今後も、この予算の支出の是非を問うことはできます。
足りなかったのではないかと思われる資料を「情報公開請求」を使って提出するよう求めました。
それを見ながら、また新たに情報公開請求を行い、支出が適正であったのかをチェックしていくつもりです。
今回の支出は、適切であったのか?に対して疑問が生じているのであって、直ちに適切か、適切でないか、を判断するにはまだ材料が足りません。
でも、判断材料が足りていないのに予算が可決されてしまったことが問題だと思っています。
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「市民のため」という言葉が、この分担金の議論の時にはよく使われました。
公金が、どういった事業に使われるのか。
その事業が市民にとってどういった意味を持つのか。
「市民のため」という言葉が、美辞麗句で終わらないようにしたい。
そうでなければ、「市民のため」という言葉を使えば、何でもできるようになってしまいます。
この言葉を、そういう便利な言葉にしてはいけないのではないでしょうか。
この件については、年明けからもチェックしていきます。