NVCの実践には「言葉」がとっても大事?

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」を読み終わりました。

現在、一人でではありますが、NVCのプロセスを子どもたちに活かす試みをしています。

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NVCのプロセスとは、以下の4点です。


1.「観察」

自分の人生の質を左右する具体的な行動の「観察」。

これは、人が言ったこと、したことが”私たちの人生の豊かさにどう影響しているか”、それを判断や評価をまじえずに述べることが大切、だそうです。


2.「感情」

観察したことについて抱いている「感情」。

相手の行動を観察したとき、”自分がどう感じるか”を述べます。(傷ついている、わくわくしている、など)


3.「必要としていること」

そうした感情を生み出している、価値、願望、「必要としていること」。

自分が「何を必要としているから」そのような感情が生み出されているのか明確にします。


4.「要求」

人生を豊かにするための具体的な行動の「要求」。

相手に対して、”私たちの人生を豊かに、そして素晴らしくするための”具体的な「要求」を行います。


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このNVCのプロセスにおいて重要なことは、4つの要素一つ一つに丁寧に耳を傾けることなのですが、それ以上に重要なのは、これらの要素を「言葉で表現すること」だと思います。

そしてまた、「NVCの本質は、4つの要素を自覚するところにある(P.27)」と述べているように、4つのプロセスを”言葉で””自覚する”ことが最も重要なのではないかと思います。

自分の気持ちや考えを言葉で適切に表現できたら、自分の気持ちがきちんと形になって相手に伝わるようにもなるし、自分の気持ちのおさまりどころも見えて、自分自身も安心できるのではないでしょうか。

現在、子どもに対して何らかの働きかけをする際(注意したり、お願いしたりする際)は、一連のプロセスを自分の中で行い、子どもとまずは「お話」をするようにしています。

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私がこのNVCに興味を持ったのは、しつけであっても、叱られるようなことをしたときであっても、「暴力を使うことで、子どもの自主性を阻害し、彼らが自発的に行動しなくなってしまうのではないか」という意識があったからです。

子どもには人格があり、ことの分別が幼いなりに判断できている、と私は考えています。

だから、小学生であれば、じっくり話せば何事もわかるのではないかと私は思っています。

現状、そうできない理由としては、「じっくり話をする時間の余裕がない」ということが一番大きいのではないでしょうか。

または、「子どもだから教えてあげないと、怒らないとわからない」という考え方があるのかもしれません。

しかし、私は、怒らなくても、力ずくで押さえつけなくても、子どもは「理解する力がある」と思います。

だからむしろ、安心感があって、やすらげる環境を提供することが、子どもを取り巻く環境には必要だと思います。

それがまず根底にあることで、子どもは安心して自分を出し、自分の要求と、相手の要求を聞き取る準備が整うように思います。

NVCは、「感情に重点を置く」ことで、行動の良しあしや考え方の良しあしを判断せず、他人に対して評価をつけないことが子どもとの接し方において私が勉強になった部分でした。

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子どもと接する中で、

「人は言葉でコミュニケーションし、言葉によって変化が生まれる」ことを少しは体験でき始めたところです。

ただ、その言葉には、「自分の気持ちを込めること」がとても重要で、だからこそ、「相手に通じる言葉」になるのだと思います。

まだまだ、NVCという言葉を知り、本を一読しただけですので、今後も何回も読み直し、子どもたちへの接し方をブラッシュアップしていきたいと思います。

子供を取り巻く環境とNVC

この本を買ってみることにしました。

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法

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NVCとはNonviolent Communication、「非暴力コミュニケーション」のことです。

著者のマーシャル・ローゼンバーグがNVCについて説明している動画も見ましたが、彼は「優位に立つ人たちが自分たちの正当性を主張するために、二項対立(善悪、正常/異常)のうち「何が正しいか自分たちは知っている」と主張することで、力の行使としての「罰」「報酬」「罪悪感」を与えることを可能にしてきた(それが8000年前)」と言っています。

この8000年前というものが動画だけではどれほどの信ぴょう性があるものか断定はできませんが、ローゼンバーグが言わんとしていることは、「正しいのか、間違っているのか?いいか、悪いか?」という二項対立ではなく、「(その人の)ニーズは満たされているのか?」「満たされていないのであれば、全員のニーズを満たすために何ができるだろう?」という問いかけが重要である、ということです。

私は、この考え方が子どもたちの教育や、育つ環境にも必要なものではないかと感じています。

子どもはまだ、自分の考えや抱えたストレス、感情をうまく言語化(=表現)できません。

それを言語化できるように教育していくことはもちろん必要ですが、そのプロセスの中に、このNVCを用いていくことは意味のあることではないかと思いました。

特に、幼少期に「自分のニーズが満たされていない」と思っている子どもほど、こういった手法を適用することは大切ではないかと思います。

単純な二項対立ではなく、また、自分も相手も、競争したり評価したりする対象とみるのではなく、「何を必要としていたのか、その希望は満たされたのか、満たされていないのであれば、何をすることができるのだろうか」と互いに問いかけていくことは成長する過程でも、他人とかかわるうえでも必要になってくることではないでしょうか。

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暴力ではなく、言語でコミュニケーションを、というのはずっと考えていることでもありますが、実践において、この本は重要な考え方を提供してくれる予感がしています。

読んだら、また感想もアップしたいと思います。

話題の夕張市視察レポートを読んでみた

ハフィントンポストに掲載されたこちらの記事が話題になっていました。

「燃えるゴミ」が燃やせない町・夕張に、暗い日本の未来をみた

2014年11月17日辞典で4,993いいね!を獲得しており、私のところにはGunosy経由で記事が配信されてきました。

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記事の内容は、一読すればわかると思いますが、夕張市の現状についてのレポートとなっています。

衝撃的だったのは、タイトルにもあるように「ゴミが燃やせない」こと。

一つの自治体が破たんすると、生活にダイレクトに影響が出るんですね。

夕張市では、市内に一つだけあった図書館も閉鎖を余儀なくされ、新規の図書購入もストップしているようです。

夕張の子どもたちの図書費用に 苫小牧高専と同窓会が支援の古本集め

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私は、そのような現状が可視化されるのはいいことだと思います。

配信されてこなければ、記事の存在と夕張市の現状を知らずに過ごしていたでしょう。

しかし、記事を読んでから、自分の住んでいる/住んでいた自治体はどのような状況なのか気になって調べてみました。

以下、3つの指標に絞って、調べてみた数値を載せてみます。


1▼ラスパイレス指数(H25年4月1日時点。海士町のみH25年時点)

国家公務員行政職俸給表(一)の適用者の俸給月額を100とした場合の地方公務員一般行政職の給与水準。

夕張市:82.4%

新宮市:104.9%

海士町:96.9%

全国平均:106.6%

→新宮市のみ、100を超えています。

夕張市は国家公務員の約8割、海士町は約9割の水準となっている、ということですね。

海士町は給与カットを始めた平成17年の72.4%という数値から考えると、だいぶ持ち直してきた感があります。

私が移住したころだと、ラスパイレス指数はもう少し低かったように記憶しています。


2▼経常収支比率

地方税、普通交付税のように使途が特定されておらず、毎年度経常的に収入される一般財源(経常一般財源)のうち、人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常的に支出される経費(経常的経費)に充当されたものが占める割合。

”少なくとも75%程度におさまることが妥当であり、80%を超える場合は財政構造は弾力性を欠いているとされてきた。しかし、地方財政全体が悪化している今日では、大部分の都道府県が80%を超えて要注意の状態であり、中には100%を超える都道府県も出てきている。”(””部分の説明は群馬県のサイトより)

夕張市:79.9%(H24年度)

新宮市:95.9%(H24年度)

海士町:93.3%(H25年度)

→この比率は、簡単に言うと自治体が自由に使える収入に占める必要経費の割合ということで理解しました。

そうすると、新宮市も海士町も自由に使えるお金を必要経費だけで9割以上を使っている、ということになりますね。

補足として、この必要経費が何かというと主だったもので【人件費、扶助費、公債費】ということですが、その内容は

・人件費…主に職員に支払う給与、地方公務員共済組合等負担金、退職金から構成されている経費。

・扶助費…社会保障制度の一環として、生活困窮者、高齢者、児童、心身障害者等に対して行っている様々な支援に要する経費。

・公債費…地方公共団体が借り入れた借金(地方債や一時借入金)の元利償還金(=返済するお金)など。

だそうです。

この内訳を詳しく見ていくと、どの経費にどれだけ使っているかがわかるようです。

が、自由に使えるお金のほとんどが必要経費に使われている中で、新しく何か事業をする場合はどうしているんでしょうね。

ちなみに、気になって調べてみましたが、島根県は県内市町村すべてが経常収支比率9割以上、和歌山県は6割以下はなかったものの、多くが8~9割以上でした。


3▼財政力指数

地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数
値の過去3年間の平均値。
財政力指数が高い(=数値が1に近い)ほど、普通交付税算定上の留保財源が大きいことになり、財源に余裕があるといえる。

夕張市:0.18

新宮市:0.37

海士町:0.089

→この中では、新宮が一番高いですがそれでも0.37。

海士町では0.089と夕張市よりも低い数値となっています。

この指数は、簡単に言えば収入額÷支出に必要なお金、ですが、収入より必要なお金の方が多ければ(必要なお金より収入が少なければ)、出てくる数値は低くなる、ということですね。

上の経常収支比率と合わせて考えると、自由に使えるお金はほぼ必要経費に占められ、財源にはほとんど余裕がない、ということなんでしょうか。


1.海士町のデータは公益財団法人 島根県市町村振興協会のPDFデータを抜粋。

2.新宮市夕張市のラスパイレス指数は各自治体のサイトのPDFデータを抜粋。

3.新宮市の経常収支比率と財政力指数は和歌山県のサイトよりPDFデータを抜粋。

4.夕張市の経常収支比率と財政力指数は夕張市のサイト(財政状況資料集)からDLしたファイルから抜粋。

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財政再建団体(ざいせいさいけんだんたい)とは、赤字額が標準財政規模の5%(都道府県)または20%(市区町村)を超えた破綻状態にあり、地方財政再建促進特別措置法(再建法・廃止)に基づき財政再建計画を策定し総務大臣の同意を得た地方自治体のこと。(Wikipediaより)

…ということは、上記の指標だけでは赤字額がいくらかもわからないし、財政再建団体(現在は財政再生団体と呼ぶそう)になるには「財政再建計画」を作らないといけないということで、財政の現状が厳しいからと言って今すぐにどうにかなってしまうということでもなさそうです。

しかし、将来への投資のために教育にお金を投入したり、女性の働き方を改善したり、男性の長時間労働を是正したりといったような部分には支援があまりなされないのかな、という印象です。

この辺は、もっと予算が何に使われているのか詳しく知りたいところです。

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今回は指標の意味とそれぞれの指標が実際にどうなっているのかを調べるだけになってしまいましたが、やってみたら面白かったので、今後はもっと詳しい分析ができるようになっていくことを目指します◎

言い訳の余地を自分に与えない。

私は、学童で働くのも初めてだし、子どもと接するのも初めてです。

積極的に子供の輪の中に入っていくのも初めてだし、人様の子供を叱ったり、一緒に遊んだりすることも初めて。

でも、「初めてだから」が”言い訳”になっていないだろうか?という自問を今日は行いました。

というのも、やっぱりまだまだ自分の至らない・できていない部分が多く、それに対する指摘が重なっている、ということを日々感じているからです。

とはいえ、ご指摘はその通りである、とうなずけるのも事実。

であれば、「初めてだし…、何をしたらいいかわからない」、などと言い訳する暇を自分に少しでも与えず、しっかりその時間を全うすることが必要だと結論づけました。

できていない部分をやりきってから、それでも自分の思うところがあればそれから言えばいい。

もちろん、こういう考え方が諸刃の剣であることは知っているつもりです。

それでも、以上のように考えて、前向きに進んでいくことを選択できるような姿勢を常に持ちたいと感じています。

自分のできていない点に目を瞑ることなく、正当な指摘や評価にはきちんと応えていきたいものです。

今日の反省を、明日に活かしましょう◎