市側の説明が不十分だと感じざるを得なかった、文化複合施設建設の住民説明会について

こんばんは。
北村ななみです。

2月11日(月)19時~、丹鶴体育館で「文化複合施設」について、近隣住民への説明会が開催されました。
私もそこに参加し、傍聴させていただきましたが、市民からの質問に対し、市からの説明があまりにもずさんすぎること、また、全く丁寧さを欠いていることなど、とても問題が多い説明会だったと感じました。


説明会の会場はほぼ満員


説明会では、市側から複合施設建設について一通り説明が行われた後、市民からの質問の時間が設けられました。
市民の方からは次々と挙手があり、その内容も、市民としての率直な疑問や忌憚のないご意見でした。
それに対し、市は、例えば「文化複合施設の維持管理費」については、議会で「約1億5800万円はかかりますよね」「そうです」というやり取りを議員と行っているにもかかわらず、市民に対しては「維持管理費は約1億700万円です」とか「約1億3000万円です」といった、ぶれた回答をしていました。
議会答弁と食い違った回答をしていることも問題ですが、市民への説明に対し、はっきりと明言できない回答はするべきではありません。

また、市民の方から「図書館は4階にすべきではない」という意見が多く出されたことも印象に残りました。
これについて、他の市民の方からも「図書館は分離して建設すればよいのではないか」というご意見も出されていました。
図書館の4階部分を分離させる、ということは、現在の国からの交付金の紐づけ上も実際は可能なはずです。
なぜなら、国からの都市再構築戦略事業交付金の上限金額が30億円から21億円に引き下げられたからです。
もともと、「複合施設」でなければ、その30億円の上限いっぱいまで交付金がもらえないと市は説明していたため、図書館とホールは不可分のものだと考えられていました。
しかし、21億円に上限金額が引き下げられたということは、イコール、「複合施設」でなくても施設建設が可能になった、ということです。
21億円までの交付金はもらうことができるのですから、図書館は、十分にその金額内で建設することができます。
市民の方からの要望も強かった、「図書館は4階に設置しないでほしい」という意見は、現在でも、十分再考すべき事項だと考えます。


説明会は、19時からの開催でしたが、時間を延長し、22時近くまで質問が続けられました。
しかし、まだ市民の質問者は残っていたにもかかわらず、市は質問時間を打ち切り、説明会を終了させました。
終盤、市民からは「この説明会1回だけでなく、もっと複数回説明会を行うべきではないか」、「15日の議決が終わってから、説明会を行っても遅い、それより前に説明会が必要」といった声も、多く聞かれました。

私も、その通りだと思いましたし、この1回だけで、複合施設建設について、住民理解が十分に進んだとはとても思えません。
ですので、説明会終了後、市長にも、「15日までに、何度か説明会を開催する考えはあるか」、「説明会を早急に、もっと市内の他の場所でも開催すべきではないか」という話をさせていただきました。
しかし、市長は「最終的に決めていただくのは議員ですから」と答えられました。
「それでは、この住民説明会は何だったのか」との話は最後までできませんでしたが、この言葉を聞いて、本当に、「住民説明会はなんのために行われ、市民のことをなんだと思っているのか?」という思いになりました。

今は、市側の説明が十分市民に浸透し、理解していただくことも完了したなどとはとても言えない状態ですし、このまま、2月15日の臨時議会で議決を行うというのは無理がある、と私は考えています。
遺跡に関してもそうですが、文化複合施設建設についても、もっと時間をかけた、丁寧な説明の場は改めて設ける必要があります。

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私が問題だと考える、国からの交付金約25億円確保の不透明な背景

こんばんは。
北村ななみです。
1月31日に書いたブログの続きを書きます。

前回、私は、議員説明会で言われた以下の3点が、新しく表に出された事実だと書きました。

1)文化複合施設建設について、国から貰える交付金(都市再構築戦略事業の採択による交付金)の上限枠が減額されていたこと

2)その減額の打診を国から受けたのが2018年6月であり、その上限枠の減額を最終決定したのが2018年12月18日だったにもかかわらず、この一連の経緯を一切公表してこなかったこと

3)「先送りにする」とされたはずの「熊野学センター」が存在するものとして、交付金の対象になっており、その話を一切説明していなかったこと

これらの情報を議会、市民に対して公表していなかったことが、まず大きな問題です。
しかし、今回は、前回言わせていただいたとおり、これら事実の内の、どういった点が問題なのかを書いていきます。


新たに判明した事実の内、私が、より問題だと思う点は次のとおりです。

1)「先送りにする」とされたはずの「熊野学センター」は、その機能が存在するものとして、交付金の対象になっており、その話は議会・市民には一切説明していなかったこと
これの何が問題なのかといいますと、平成28年2月に、市は、財政的な負担が大きいために、「熊野学センター」という「建物」は先送りにする、と公式に決定しました。
とはいえ、市側は、”熊野学センターの「機能」は残します”、”残すべき「機能」は、文化複合施設の中に入れ込みます”という説明をしていました。
しかし、その残した「機能」に対し、「交付金がもらえる」という説明は、先送りにするという公式決定がされた後、一度もありませんでした

議会側、市民側は、「建物が先送りにされた」=「交付金の対象から外れてしまった」と受け止めており、「建物」としての熊野学センターは、建設の目処が立たなくなった、という理解をしていたのです。
けれども、今回の件で、実際には「熊野学センター」の機能は、交付金の対象として未だに有効だった、ということが明らかになりました。

これは、今まで一切説明がなかったことであり、市が、議会・市民側への理解を求める作業を怠ってきた結果であると私は捉えています。
市側から、上記の状況がもっと早く公表・説明されていれば、「熊野学センター」の「建物は先送りにする」などという議論は見直されていたはずです。
その説明がないまま、熊野学センターは建物が建設されず、交付金がつかないものとして受け止めてきた過程を振り返ると、当時必要だった説明をしなかった事自体が、議会・市民に対する重大な説明不足であり、それが問題なのです。

2)市が言う「熊野学センターの機能」には、国からの交付金約9億円が出される根拠が本当に存在しているのか
「熊野学センター」の建物建設自体は、「財政的な負担が大きすぎる」という理由で先送りになりました。
しかし、市側の説明通り、設計図面には「熊野学センターの機能」を残している部分があります。

ただし、この熊野学センターの機能とされる部分、主には、「熊野学研究室」、「熊野サロン」と銘打たれたエリアになりますが、これらの面積は共有部分を入れて、約1000平米です。
共有部分を除いて、実際の「熊野学センターの機能」だけに絞ると、約700平米の面積しかありません。
これだけの狭い面積に、新宮市の試算上では、国からの交付金として約9億円もの金額が紐づけされているのです。(以下の添付資料参照)

私は、この金額の付け方は実態とかけ離れており、明らかに過剰であると認識しています。
本当に、このような狭い面積に、国も約9億円もの交付金をつけるのでしょうか。
2018年4月時点では、熊野学の機能部分は、建設工事費の概算約5.4億円、施設に占める面積は約905平米でした。
そして、そもそもこの熊野学部分の面積は、ホールと図書館の部分にそれぞれ按分されていたのです。

実は、図書館についても同じことが言えます。
図書館は、2018年4月時点では、建設工事費の概算金額は約10.5億円、施設に占める面積は約1400平米として、説明されていました。
しかし、新たに判明した市の試算上では、概算金額が約19億円に膨れ上がり、面積も、共有部分を含んで約2200平米と大きくなっています。
けれども、なぜ、そのような試算になっているのか。
その背景にあるはずの説明は、次の項で述べる以上の言及はありません。

結果として、熊野学センターの機能と、図書館に、これまでの説明よりも大きな概算金額が見込まれているけれども、その金額の根拠がどうなっているのかの説明が公的に行われておらず、実質、根拠が不明な状態になっています。

3)交付金確保のための概算金額が実態とかけ離れており、根拠のある説明資料が提出されていないため、その計算方法にも疑問が残る
2)で指摘したとおり、施設の実態と、そこに交付されるであろう試算上の交付金の金額が、あまりに乖離している状態が、現在明らかになっています。
なぜ、このような状態になったのかについて、市側は「国との協議において、交付金の申請上、これまでの概算金額の計算方法とは、少し違う方法で行ってよい」との話があったという説明をしています。
上記の添付資料①と②では、交付対象事業費の概算金額が異なっていますが、これは、交付金の上限金額が21億円に下げられた前後で、計算方法が違うからだそうです。

では、それはどのような計算方法の違いなのか。
簡単に言うと、
【変更前】それぞれの3機能にかかる建設費用を個別に積み上げ、全体の概算金額を出していた。
【変更後】全体の概算金額を出し、それをホール、図書館、熊野学センターの3つの機能に按分する。
という変更があったようです。

ただし、このことについて、説明会の後日、改めて、私の方から「変更の前後で、どのような計算方法の違いがあるのか」、「それは何らかの国の要綱に載っているものなのか」、「それとも、運用上の違いとして、口頭で説明されただけのものなのか」という質問をしましたが、この変更に対する根拠のある資料は、今のところ出てきていません。
だからこそ、市側が言う、「この試算は財政的な手法」である、という言葉の信憑性が損なわれる、ということにつながっていると考えています。

計算方法の変更を行うに当たって、どのような根拠があるからそうしたのか、という説明がないために、現状の市の説明をそのまま受け止めると、「ホール部分で当てにしていた30億円の上限に対する交付金が想定通りもらえなくなったため、図書館、熊野学センターの機能に、不足する金額を付け替えている」という捉え方をせざるをえません。
そして、この金額の増加だけを見たら、私は、これは「国からの交付金約25億円を確保する」ための、単なる「水増し」ではないのかと疑わざるを得ないのが現状です。

以上の3点が、前回新たに明らかになった事実を踏まえて、さらに、私が問題だと考える部分です。

繰り返しになりますが、このまま、市が説明したことを額面通り受け取ると、
「交付金の計算方法が変わったとはいえ、その根拠となる説明や説明資料が不十分であり、図書館、熊野学センターの実態を考えると、市が国に対して交付金を請求する請求上の金額は、「水増し」に当たるのではないか、と捉えても仕方がない」、と考えています。
そして、その点は、別途担当課とお話した際にも言わせていただきました。
市と国とが、どのように協議をしていたのかは、いささか見えにくい部分でもあることから、もっと説明に足るような資料を元に、再度説明がほしいところです。


2月4日(月)、10時からは臨時議会です。
私は、こういった新たな疑義が発生したにもかかわらず、建設を進めていくことには反対です。
そもそも、文化複合施設が将来の新宮市の財政を圧迫することになるのではないかという懸念も払拭できていません。

当日は、文化複合施設建設がこのまま進むかどうかの決定、ひいては、今後の新宮市の市政運営を左右する決定が行われます。
多くの方が傍聴に来ていただけるとありがたいですし、ライブ中継もありますので、パソコン、スマホ上からも、状況を見守っていただけると幸いです。

新たな事実が突然表に出された、2019年1月29日の議員説明会について。

こんばんは。
北村ななみです。

本日1月31日付の紀南新聞1面に、議員説明会の記事が掲載されました。
議員説明会は、一昨日の1月29日に行われたものです。
説明会の内容について、当局側の説明で、私が問題だと思った点を書きます。


1月29日の説明会で、市が、これまで議会・市民に一切説明をしてこなかった事実が3点、明らかになりました。

それが、

1)文化複合施設建設について、国から貰える交付金(都市再構築戦略事業の採択による交付金)の上限枠が減額されていたこと

2)その減額の打診を国から受けたのが2018年6月であり、その上限枠の減額を最終決定したのが2018年12月18日だったにもかかわらず、この一連の経緯を一切公表してこなかったこと

3)「先送りにする」とされたはずの「熊野学センター」が存在するものとして、交付金の対象になっており、その話を一切説明していなかったこと

上記3点が、1月29日の議員説明会で初めて、明らかになった事実です。

どれも、議会・市民に公表されてこなかったことです。
そして、これらの事実は、市側が「公表すべきもの」として公表説明したことではなく、説明会の席上で、議員側からの質疑の最中に、その事実が明らかになったものです。
議員側からの質疑がなければ、交付金の減額という話は、まったく表に出されなかったでしょう。
そのように、言われなければ公表しない、という市の姿勢がそもそも問題です。
しかし、明らかになった事実についても、問題な点が多いです。

こちらについては、別途、詳細をブログ上で書きます。


私は、議員説明会の席上で、新たな事実が突然表に出され、それが、これまでの議会への説明、市民への説明を根底から覆すものだったために、臨時議会は開くべきではないと主張しました。
しかし、結局は2月4日に臨時議会が開催され、「文化複合施設建設」の予算の議決が行われることになりました。
それまでに、どういった点が問題なのか、より詳しく説明させていただきます。

施設建設を急ぐあまり、新たに判明した事実の検証や、事実の詳細が市民に対して公的に説明されないまま、施設建設を進めていくべきではありません。

壊すの?残すの?活用するの? ―新宮城下町遺跡について①

こんばんは。
北村ななみです。

旧丹鶴小学校跡地から発見された「新宮城下町遺跡」。

この遺跡が発掘された場所が、市が進めている「文化複合施設」を建設する予定地だということはご存知でしょうか。

せっかく発見されたこの遺跡、文化複合施設建設の際には、「壊される」のでしょうか?
それとも、「残される」のでしょうか?

***

現段階では、市長は、「文化複合施設(文化ホールと図書館)を建設する」ことは明言しています。
しかし、遺跡に関しては、「施設の設計を変更することで保存の可能性を探る」という話にとどめています。

私の現時点での遺跡に対する考えは、以下です。


①1回目の調査で、鎌倉~室町時代までの発掘を行ったが、この時代で、発掘調査をいったん止める。鎌倉~室町時代部分を埋め戻して保存する。
②それ以外の、1回目調査の未調査分と2回目調査分は、今後、学術研究目的の発掘調査に切り替え、最小限の発掘を何年かかけながら、少しずつ行う。
③城下町遺跡は遺跡公園として整備を考え、新宮城跡と合わせて周辺一帯を新宮市の歴史的景観を体感できる施設にする。
④見送りにされた熊野学センターを再度整備し直すこととし、新宮城跡周辺を熊野学の一大研究拠点にする。
⑤新宮城下町遺跡が、国の史跡指定を受けられるようにする。


熊野が面白い、と感じるのは、京都のように、理論と実践のサイクルを、「今、住んでいる場所」で体感できることだと思います。
遺跡を整備し、一帯を研究拠点とすることで、まず、「熊野学」関連で研究をされている研究者の方に新宮に来てもらいやすい環境を作ります。
そこでの研究成果を観光振興につなげたり、ふるさと教育や生涯学習につなげる、という流れを確立させることが重要だと考えます。

このアイデアの問題点は、
・市民ホール、図書館は、どう整備するのか。(遺跡を現地保存すると、その上に施設は立てられなくなります)→この点については後日のブログで書きます。
・学術目的の発掘調査に切り替えたときに、調査の財源をどう確保するのか。(今は、施設の建設を前提として、国交省から交付金をもらうことになっている)
・遺跡の整備費用に、いくらかかるのか。その財源はどうするのか。

「現地で保存すること」を前提とすると、今までの施設整備の議論や設計など、大部分が白紙に戻されてしまうことは間違いありません。
そのため、今、大きな変更を決断するとなれば、課題はより多くなるでしょう。

しかし、新宮市は「文化奏でる都市」を標榜し、歴史や文化を大切にしていくまちづくりを行うと総合計画で謳っています。
その一方で、遺跡を壊して新たな建物を建てるというのは、歴史や文化を大切にする、という文言と矛盾が生じているのではないでしょうか。
私は、それがまず大きな理念的・政策的な問題点だと捉えています。

***
この遺跡をどのように取り扱い、施設建設をどのように進めていくのかは、最終的には「市の判断」になります。
市の判断、というのは、イコール「市長の判断」ということです。

「今、建てないでいつ建てるのか」という文化複合施設の建設の期限にやきもきしている状態のまま、政策判断を行うのではなく、ぜひ、大局的な見地に立ち、遺跡が新宮市で発見された意義を捉えて、それを後世にいかに伝え、どのように新宮市を発展させる礎とするかという理論を練り上げなければなりません。

今、市が何をすべきか決断するためには、根拠に基づいた理論を構築し、遺跡・文化複合施設に対して、どういった論拠の元で「判断」を行うのか、しっかりと「説明責任」を果たしていくことが必要です。

私自身の「どうすべきか」という考えについて、「遺跡」に関するものは本日書いた通りです。
後日、「文化複合施設(ホールと図書館について)」と、「新宮市における遺跡と文化複合施設の意義」についてブログをアップします。
また、これら一連の議論における問題点も、書いていくつもりです。

5/21現地説明会写真
▲写真は5月21日に行われた現地説明会で撮影したものです。